銀行融資と格付会社の違い

銀行融資と格付会社の格付に、違いがあることをご存知でしょうか。格付会社の格付は重要になりますが、上場企業と言えども、格下げが激しいと金融戦略に大きな違いがでます。パナソニックとシャープ、ソフトバンクを比較すると分かりやすいですね。


(1)銀行融資と証券市場での資金調達

銀行融資と証券市場での資金調達は、根本的に異なるものであると言えます。証券市場で資金調達を行う場合は、上場企業であることや、非上場企業の場合は企業規模がかなり大きい必要があります。

中小企業の場合、私募債による資金調達を証券市場からの資金調達であるという考え方もありますが、取引銀行が相手方となる場合が多いので今回は除外します。
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(2)証券市場での資金調達と格付会社

  • 株式
  • 転換社債
  • 普通社債
  • CP(コマーシャルペーパー)
証券市場で資金調達を行うときに、代表的な資金調達方法として上記のものがあります。投資家に対して、企業の倒産する確率を提供する役割を、格付会社は果たしています。

格付けを取得するためには、企業が格付会社にお金を支払っているため、大きく影響することがあります。サブプライムローン問題やリーマンショックは、格付会社の甘い格付けが、世界的に批判を浴びました。

(3)格付会社の種類

  1. スタンダード&プアーズ
  2. フィッチ・レーティングス
  3. ムーディーズ・ジャパン
  4. 格付投資情報センター
  5. 日本格付研究所
銀行融資の格付と格付会社の違いは、格付会社は格付を行う企業からお金を貰って、格付を行っていることです。格付会社にはいろいろと問題がありますが、格付会社が格付を落としたものの銀行融資が継続されている大企業について見てみましょう。

(4)パナソニックとシャープの格付とソフトバンクの違い

パナソニックやシャープは日本を代表する企業ですが、格付会社の格付が投機的水準に格下げされています。格付が投機的水準になると、機関投資家で社債保有をしないルールもありますし、個人投資家の購入意欲も低くなります。

パナソニックやシャープのような大企業でも、格付低下により、社債やCP以外の資金調達を模索して、銀行融資が行われました。 ソフトバンクは銀行融資による資金調達と同時に、格付がよいため社債も発行しています。ソフトバンクの金融戦略は、パナソニックやシャープよりも広いことが分かりますね。

(5)銀行格付と格付会社

銀行融資は、銀行格付が一定以下に格下げされると借入は不可能になります。銀行融資が行われる一方で、格付会社の格付低下により社債やCPで資金調達が突然できなくなるリスクが、優良大企業にもあります
  • 間接金融 銀行融資や与信による資金調達
  • 直接金融 証券市場で株式や社債、CPによる資金調達
銀行融資と格付会社の違いがありますので、社債やCPに資金調達を頼ると、優良大企業の資金繰りが脆くなると言えますね。
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