融資と投資の違い

融資と投資の違いを理解すると、銀行が担保を求める理由が分かると思います。銀行融資は、預金者のお金を預かっていますので、貸したお金を回収するのが当然であり、信用力の低い取引先から担保を求めることになります。

(1)融資の特徴

融資は、借り手の財務状況や資金使途、担保などにより様々な条件の借入があります。銀行融資は、制約が多いという指摘が多いですが、その理由について考えてみましょう。

銀行融資の監督官庁の考え方、銀行融資の資金供与は誰のお金であるのか、株式投資と異なる点は何であるのかを簡単に考えると、簡単に理解できるのではないでしょうか。
  1. 銀行の監督官庁 金融庁
  2. 銀行融資の資金源 法人や個人の預金のため、貸したお金を回収するのが前提
  3. 株式投資は0円になることが許されている
銀行融資の特徴について、上記の3点から簡単に見てみますが、銀行融資の基本は借りたお金は返すことです。融資のリスクは、運転資金よりも設備資金を借金で対応すると、リスクが大きいと言えますね。
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(2)銀行の監督官庁である金融庁の考え方

銀行と顧客が、融資取引を行うときの考え方について、銀行融資で簡単にまとめましたが、再度、見てみましょう。
  1. 融資契約 銀行と取引先の細かい約束
  2. 銀行取引約定書 銀行と取引先の基本的な憲法
  3. 金融庁 銀行にとって神様
銀行にとって金融庁は神様ですので、銀行融資を検討する方は金融庁の考え方を理解する必要があります。金融庁の影響力が分かる事例について、皆さんはご存知ではないでしょうか。

(3)不良債権回収と金融円滑化法

金融庁は、銀行融資について金融庁の法令・指針等で金融検査マニュアルを発行していますので、興味のある方はご参照。
  1. 不良債権回収と銀行融資の厳格化
  2. 金融円滑化法 不良債権回収の先延ばしで、企業倒産の防止
金融庁は銀行に対して神様と言える力を持っていますが、金融システムの安定化を金融行政の基本としてきました。 銀行に対しては、融資先の格付を厳格に見ることや不良債権処理を徹底することで、銀行の自己資本が毀損しないことを目的としていました。

金融庁は銀行融資が消極的になる方向性でしたが、突然、金融円滑化法で企業格付の査定が緩くなり、不良債権回収の先延ばしを是認したような形がとられました。

(4)株式投資の場合

銀行融資の場合、金融円滑化法で債権回収が先延ばしになったとしても、元本回収が当然であると言えます。融資と株式投資は、融資と株式発行の違いでも説明しましたが、リスクに対する考え方が根本的に異なります。

企業が会社経営に失敗したとしても、違法行為がなければ、出資金額以上の責任は問われることはありません。株式投資は銀行融資と異なり、株式が無価値になっても請求することができませんので、銀行融資よりも高い利益が求められることになります。

(5)銀行融資に担保が必要な理由

銀行融資が、貸したお金を返してもらう必要があることを考えると、融資返済の可能性が低い顧客に担保を求めるのは、預金者保護のため重要になりますね。 銀行が融資と投資の違いを曖昧にして、バブル期のように融資に歯止めがなくなりなしたが、バブル崩壊後、不良債権で倒産した銀行もでていますね。

優良大企業の業績悪化時に、銀行融資と格付会社の違いにより社債やCPの新規発行が困難になりますので、銀行融資に担保をつけるなどして資金繰りを行います。融資と投資の違いを理解すれば、株式投資を行うときに決算書を見る目線が変わることになりますね。
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